バルカン超特急 ヒッチコック映画あらすじ/ネタバレ/解説/感想

サスペンス&列車!それだけでわくわくしますね

それにしても主なヒッチ作品が揃ってるユネク(U-NEXT)最高っすわ〜
初期作ならアマプラ0円割とあります!本作も0円でした

※本ページの情報は22年10月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。

目次

概要

1938年のイギリス時代のアルフレッド・ヒッチコック監督作品。
上映時間97分。主演:マーガレットロックウッド。日本公開1976年
原作はエセル・リナ・ホワイトの小説『The Wheel Spins(車輪が廻る)』

イギリス時代では『三十九夜』と共に特に好きな作品です。

キャスト

アイリス・ヘンダーソン:マーガレット・ロックウッド:友人2人と結婚前の旅行を楽しんでいる

ギルバート:マイケル・レッドグレイヴ:民族音楽研究家の青年

ミス・フロイ:デイム・メイ・ウィッティ:イギリス人家庭教師。

チャーターズ:バジル・ラドフォード:クリケット狂(蝶ネクタイの方)

カルディコット:ノウントン・ウェイン:クリケット狂

Dr.ハーツ:ポール・ルーカス:著名な医師

物語のはじまり

初見だと特急乗るまでが長くて混乱するかもですね。(私は人多いし状況ようわからんし特急いつ乗るん?ってなりました)
物語に入りやすくなるよう押さえておきました。

東欧の国バンドリカの駅前のホテルでは明日イギリス行きの国際列車に乗車予定の人々が泊まっていた。
結婚を控えた若い娘(アイリス):友人たちと旅行中
クリケット大好き2人組:部屋が足りずメイド部屋に泊まる
訳ありの夫婦:男性は弁護士
音楽教師(ミス・フロイ):バンドリカで6年勤めて帰国する老婦人
演奏家の男性:部屋で騒音を立ててアイリスに苦情を訴えられる

出発前の駅でアイリスは何者かが落とした植木鉢に頭をぶつける。
ミス・フロイに介抱されながらアイリスは汽車に乗り込む。

バルカン超特急(The Lady Vanishes)のネタバレ

ここからネタバレ注意!

ミス・フロイは列車内で行方不明になりアイリスは彼女を探すが誰もが示し合わせたように彼女を見ていないと言う。
乗り合わせた医師のハーツはミス・フロイという人物はアイリスが頭を打った影響で作り上げた幻影だと説明する。
真相は英国スパイであるミス・フロイを敵のスパイであるハーツたち一味がとらえ、アイリスにはフロイは幻影だと思わせようとしたのだった。

それぞれの嘘の証言をした理由

  • 給仕係:ハーツの仲間なので嘘の証言をした
  • クリケット狂:アイリスに騒がれて列車が止まると見たいクリケットの試合に間に合わないので関わらないようにしていた
  • 弁護士:不倫旅行中なので騒ぎに巻き込まれたくない
  • 相席のイタリア人:ハーツに買収され協力していた

ネタバレ詳細ストーリー

東欧の国バンドリカにて。
駅前のホテルのロビーではイギリス行きの国際列車が雪崩で通行止めになったため足止めをくらう人々で混雑している。
そんな中、アイリス・ヘンダーソンが友人2人とやってくる。先週も泊まったようでホテルの支配人ボリスとも顔なじみの様子。
2人組の男性はクリケットの試合に間に合うか気が気でない。彼らは部屋が足りないためやむを得ずメイド部屋に泊まることになる。

アイリスは近々ロンドンの名家へ結婚する予定で独身最後の旅行を楽しんでいた。3人娘はチキンとシャンパンをルームサービスでオーダーしている。
部屋の中で彼女たちは給仕係がいても自由に着替えたり奔放に過ごしている。
「思い残すことはないわ」というマーガレットだがどこか浮かない様子だ。

メイド部屋に泊まることになった2人のクリケット狂たちはメイドが着替えだすので自分たちは部屋の外で着替えたり、自分宛ではない電話に間違って出たり、散々な様子。
せっかく食事のテーブルにつくも客が多すぎて食事がない。見かねて相席の老婦人(フロイ)は彼らにチーズを分けた。
彼女はここで6年間子供に音楽を教えていたが明日イギリスに帰国する予定だそうだ。
フロイは部屋で窓の下から聞こえる歌声に耳をすます。
しかし階上から騒音が聞こえてきたので部屋を出ると、隣の部屋のアイリスも同じく何事かと部屋から出る。
アイリスの苦情を受け支配人は階上の部屋で行なわれている民族舞踊の演奏とダンスをやめさせようとするがクラリネットを演奏している青年はなかなか聞き入れない。
アイリスは支配人にチップを渡し再度お願いする。支配人は必ず追い出すと約束をする。

アイリスが寝ているとクラリネット奏者の男性(ギルバート)が部屋に入ってくる。(友人たちは自宅に帰ったのか宿泊はアイリスのみ)
彼は支配人に追い出されたのでアイリスの部屋に居座るつもりだ。
フロントに電話しようとすると「君に誘われたと言う」と脅す。
仕方なくアイリスは支配人に電話をし彼を元の部屋に戻すようお願いをすることにした。

フロイは自分の部屋で外から聞こえるギターを奏でながら歌う歌手の歌に耳をすます。
歌手の背後から魔の手が伸びる…


次の日、駅にて
見送りに来たアイリスの友人たちはアイリスに最後に結婚を思いとどまるよう説得をしている
フロイが眼鏡を落としたのでアイリスが渡しに行くと上からフロイを狙い何者かが植木鉢を落とす
植木鉢はアイリスに落下するが汽車は出発間近、目立った怪我はないようなのであとはフロイに任せ友人たちはアイリスを見送る。
友人たちに手を振った直後、アイリスは気を失う。目覚めると向かいにはフロイが座っていた。
食堂車に行くアイリスにフロイも同行する。
途中でフロイはよろめいて弁護士の男性の部屋に入りそうになるがすぐさま閉め出される。男性は女性と乗車しており、彼らは不倫カップルでお忍び旅行中である。男性は少し及び腰になっているようだ。

食堂車でフロイは給仕に持参した茶葉を淹れてくれるよう渡す。イギリス人らしくこだわりがあるようだ。
アイリスとフロイはお互い自己紹介をする。そのときけたたましく汽笛が鳴ったためフロイは窓に名前の綴りを書いて説明する。
お茶が来たが砂糖を隣の席のクリケット狂に占領されていたのでフロイは彼らに声をかける。
お茶の後、フロイはアイリスに少し眠るよう促す。その間フロイはクロスワードを解いている。同じコンパートメントのベレー帽の男性が子供に手品を披露している。
アイリスが目覚めると、向かいのフロイがいないので、同じコンパートメントの乗客に聞くが彼らは知らないという。
彼らは最初からフロイなんて女性を見ていないという。手品を披露していたベレー帽の男性はアイリスが頭を打ったので記憶喪失では?と言う。

アイリスは車内を探しに行く。
食堂車でお茶を頼んだ給仕に聞くが覚えていないと言う。茶葉を渡したはずだと食い下がるも伝票は1人分と記録されていた。
らちが明かないので他を探すアイリスは昨晩部屋に押しかけてきた男性(ギルバート)と再会する。
アイリスは不機嫌になり立ち去ろうとするが打った頭が痛む。ギルバートは困った女性は放っておいてはいけないと父から教育されているのでアイリスに同行したいと申し出た。
ベレー帽の男性が他の乗客と話をしているところにアイリスとギルバードはやってきた。
ベレー帽の男性はイタリア人で妻と子供と男爵夫人と乗車しているそうだ。
男性と話をしていたのはプラハの脳外科医ハーツ氏だ。有名人らしくギルバートは彼を知っていた。
ギルバードがもう一度アイリスの同席の乗客に質問するがやはり知らないと言う。

ハーツ医師を伴ってアイリスとギルバードは車内を探す。
アイリスは弁護士にもフロイのことを聞くが彼も覚えていないという。
アイリスは列車を止めてでも探すと息巻く。
それを聞いていたクリケット狂たちは列車を止められると見たい試合に間に合わないので関わらないことにし、アイリスに聞かれてもやはり覚えていないと答えた。
ハーツ医師はアイリスは脳挫傷のせいで幻影を見ているのではと説明する。
間もなく列車は最初の駅に到着し、ハーツ医師は顔を包帯に包まれた患者を運び入れた

ダブル不倫カップルが口論をしている。
男性は弁護士で近いうち判事に昇格できるそうだ。なので不祥事はさけたい様子。
フロイの捜索に非協力なのも騒ぎに巻き込まれ不倫の発覚を恐れているためだった。
しかしカップルの女性の方(マーガレット)はアイリスに同情的でフロイを見たと協力を申し出る。

フロイらしき人が戻ってきたというので席に戻るがそれは似たような服を着た別人だった
彼女はクーマーと名乗る。彼女は頭を打ったアイリスを汽車に乗せたと本人だと主張する。
ハーツ医師もアイリスは記憶が混濁してクーマーをフロイと思い込んでいるのだと言う
先ほど協力を申し出てくれたマーガレットにクーマーを会わせるがマーガレットは連れのエリックに言いくるめられ嘘の証言をした。
フロイは間違いなく汽車にいたのに誰もが否定し信じてくれない。アイリスはだんだん自分の記憶に自信がなくなり、フロイの不在を受け入れた。

気晴らしにギルバードはアイリスを食堂車に連れ出す。
ギルバードはアイリスがもうすぐ結婚することを知ってショックを受けた様子。
ギルバードが自分の話をしている途中、アイリスはミス・フロイが給仕に渡したお茶(ハリマン・ハーブ茶)のことを思い出していた。
ギルバードにも話すが取り合わない。
ギルバードは彼の父の話をしている。彼は自分の父をとても尊敬している。アイリスに同行したのも弱っている女性をほっといてはいけないという彼の父の教えだし、クラリネット奏者なのも父の影響だった。現在民族舞踊の本を執筆中で書き上げるのは4年後だそうだ。
アイリスはふと窓を見る。そこには自己紹介の時、フロイが自分の名前を綴ったあとが残っていた
アイリスははっきりフロイの存在を確信し、大声でフロイが誰かに隠されたいることを主張し緊急停止をさせる。
アイリスは再び気を失う。

緊急停止の影響で汽車は10分遅れで走行している。
アイリスはハーツ医師に患者といっしょに一晩入院されてはどうかと勧められる。アイリスは断りなおもフロイ搜索を諦めない。
ハーツ医師はギルバードに彼女を説得するように言う。
そんな時、ギルバードは食堂車の従業員がゴミを窓から捨てるところを見る。ゴミの中にアイリスが先ほど言っていたハリマン・ハーブ茶のパックを見つけ彼女の主張が正しいことを知った。
ギルバードは彼女を席から連れ出し、お茶の袋を見たことを伝えフロイの搜索に協力する。
荷物室の中でアイリスと同室のイタリア人の等身大パネルを発見する。
彼は魔法使いドッポというマジシャンだった。得意技は人体消失マジックで荷物室は彼の興行の道具が揃っていた。
ギルバードは自分をホームズ、アイリスをワトソンと見立て事件を整理する。
ギルバードがなにげなく拾った眼鏡を見てアイリスは驚く。それはミス・フロイの眼鏡だった。
その時、背後からしのびよる手
マジシャンのドッポだ。ドッポは眼鏡は自分のものだと主張した。ドッポの大きな鼻ではその眼鏡は合わない。
ギルバードとドッポは摑み合いになる。アイリスも下手ながらも参戦する。
ドッポを2人がかりで箱の中に閉じ込めるがその箱はマジック用の箱だったのでドッポは抜け出す。
2人はドッポを捕まえるためにハーツ医師も仲間に加えようと彼を訪ねる。
ハーツ医師は部屋にはいなかったが包帯巻きの患者を見てギルバードはあの患者こそがフロイではないかと推察する。
アイリスも同乗のシスターがハイヒールを履いていたことで怪しむ。
ギルバードは
犯人はまずフロイはおびき寄せ荷物車に閉じ込め、停車駅で包帯で顔を隠したクーマーを乗せた
・そしてクーマーはフロイに変装し、代わりにフロイを患者に仕立てた
と、推理した。
アイリスは一介の家庭教師のフロイがなぜ?と疑問に思うが、ギルバードは政治的理由があるのかもしれないと言う。

シスターに声をかけ患者を改めようとするが、ハーツ医師に止められる。
患者は重症だから包帯を取ることは許可できないとハーツ医師。2人を外に出してからシスターと話す
彼らの会話でハーツ医師も敵側だとわかる。そして給仕係の1人も仲間だという。アイリスたちに薬を盛るつもりだ

食堂車でアイリスとギルバード、ハーツ医師が話をする。
アイリスたちは自分たちが荷物車で見たことやシスターが怪しいことなど説明する。
ドッポと格闘した話をするが直後にドッポが笑顔で通りかかる。
注文した酒が運ばれる。ハーツ医師が薬を仕込ませたものだ。
ハーツ医師は2人がグラスを飲み干すのを確認した。
2人はまだハーツ医師が敵側だと知らないのでなおも患者を調べてほしいと頼む。
ハーツ医師は自ら自分も犯人の1人だということを明かし、2人のグラスに薬を入れたのでまもなく意識を失うことを伝えた。
2人が気を失ったのを見て立ち去るハーツ。ギルバードは失神したフリをしていたのでアイリスを起こし薬が効いてくる前に脱出を図る。鍵がかかっていたので危険だが窓から隣の部屋に侵入する。
隣はシスターと包帯の患者の部屋だ。患者を確認するとフロイだった
シスターはハーツが指示した薬を入れなかったと言う。彼女はなぜかギルバードたちに協力してくれるようだ。
そこでクーマーが戻ってきたので拘束する。捕らえたクーマーはフロイの身代わりに仕立てた。
ドッポたちに謝礼を払うハーツ。どうやらドッポは金で協力したようである。

フロイの姿を見て喜ぶアイリス。2人は抱き合って再会を祝う。
ハーツが確認に来るがアイリスとギルバードは気を失ったフリをしフロイは隠れてやり過ごした。

停車駅に着き、クーマーと知らず患者を運び出すハーツ。
しかしすぐクーマーだと気付き駅員たちに指示をし車両を切り離し車内に乗り込んだ

裏切り行為でシスターは咎められていた。
シスターは英国人らしく同じ英国人を見殺しにはできないと言う。

ギルバードは列車が切り離されていることに気づく。
車両は自分たちが乗っている客車と食堂車だけだった。
お茶の時間だったため食堂車には英国人が何人か残っていた。クリケット狂や不倫カップルもいる。
ギルバードは乗客たちにフロイが監禁されていたこと、犯人たちはまた襲ってくること、自分たちが今支線を走行していてことを説明した。しかし乗客たちはなかなか信じようとしない。まもなく列車は森の中で停車した。
近くに車が数台止まりハーツは彼らと合流した。シスターは縛られ車内に残された。
止まった列車内に軍人らしい男性が入ってきて、乗客たちに英語で英国大使館に行くからついて来るように伝えた。(彼はオックスフォード大出身らしく英語が堪能)
しかしはギルバードは軍人を椅子で殴り倒し気絶させ、自分たちを連れ出す嘘だと乗客たちに説得する。
ギルバードに話に納得できないチャーターズは外へ出ようとするがすぐに撃たれて戻って来る。
彼は幸い軽症で済んだが乗客たちはようやくギルバードが正しいと理解した。
ギルバードたちは立てこもっての銃撃戦になる。
この期に及んでも弁護士は尻込み気味だ。そんな彼の銃を使いカルディコットが銃撃に参加する。彼は銃の名手のようだ。
そのなかでミス・フロイはギルバードとアイリスに重要な話をする。
彼女は自分がスパイだと告白した
そして、自分に何かあったときは外務省のカレンダーに連絡してほしいと、欧州2国間における協定の条項を暗号化した歌前夜にギター弾きから聞いた歌)を伝えた。譜面で渡そうとするがギルバードは音楽家なのでそらで覚えた。
アイリスたちに再会を約束し、フロイは密かに列車から脱出した。
銃撃戦はそろそろ持ちそうになくなり、ギルバードは運転手たちを脅して列車を動かしに行った。
弁護士は降伏し車内から出るが白旗もむなしく撃たれてしまう。
列車が動き出してまもなく運転手は撃たれてしまうが模型でなら経験があるというギルバードが運転をする。
まもなく線路の切り替えポイントというところで車内で気絶していた軍人が起き上がり銃を奪い主導を握る。
しかしアイリスが軍人の注意をひいた隙にシスターが線路を切り替えることに成功した。
走り出す列車をいまいましく見送るハーツたち。

ようやく船を経由し、ロンドン・ヴィクトリア駅に着いた一行。
ギルバードは暗号の歌を忘れないように度々口ずさんでいた。
アイリスとギルバードは言い出さないがお互い別れがたい様子。
クリケット狂たちはなんとか試合に間に合いそうでほっとしたのもつかの間、「洪水のため優勝決定戦は中止」という告知を見て呆然となる
タクシー乗り場でギルバードはアイリスに別れの握手を求めると急にアイリスはタクシーに乗り込む。
とっさに婚約者のチャールズから身を隠したのだ。アイリスを抱きしめキスをしながら運転手に外務省へと指示をする

外務省にて
すっかり恋人同士のアイリスとギルバードは新婚旅行は汽車のない場所がいいと笑い合う。
いざ役人の前に報告する時になり、ギルバードは暗号のメロディがすっかり抜け落ちてしまったことに気づく。
焦るが結婚行進曲しか思いつかない。
その時部屋の奥からピアノのメロディが聞こえる。演奏していたのはミス・フロイだ。彼女もまた無事にたどり着いたのだ。
3人は再会を喜び合う。

外国語パートは字幕なくて何言ってるのかちょいちょい気になりました。訳してくれてもいんじゃないかなあ…英語圏の人もそう思ってるのかな

資料

舞台のバンドリカとは

バンドリカは架空の国です。東欧にあるという設定です。
バルカン超特急(邦題)というタイトルなのでバルカン半島のそれも雪が積もる内陸部の高地地域あたりでしょうか。
バルカン半島は現実でも「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれてきたぐらい歴史的に紛争が絶えない不安定な地域でもあります。

ヨーロッパの国際列車

海峡トンネルもない時代のロンドンへの国際列車ってどういうものなのか知識がないのでよくわからなかったのですが
wikiのオリエント急行の路線図を見たらイメージを掴みやすかったので参考にリンクを載せておきます。
オリエント急行

小ネタ・裏話

  • 撮影はほとんどイズリントン撮影所のセットで行われた
  • ノウントン・ウェインバジル・ラドフォードクリケット狂の二人組は『ミュンヘンへの夜行列車』(キャロル・リード監督)や他のいくつかの作品でも登場する*。『ミュンヘンへの夜行列車』にはマーガレット・ロックウッドも出演している。*権利の関係で同じ役名を使えなくなっても同じキャラクターで何作か出演をしている。
  • 脚本担当のシドニー・ギリアットフランク・ローダーのシナリオライターコンビはのちに独立しシナリオだけではなく映画監督業にも携わる。『ミュンヘンへの夜行列車』『絶望の彼方に』など手がける。
  • ミス・フロイ役のデイム・メイ・ウィッテイはヒッチコック作品では『断崖』(1941年)にも出演している。
  • ヒッチはのちに『映画術』のなかでよく考えるとシナリオはアナだらけだと語る。例えば老婦人に大事な暗号を任すのではなく伝書鳩を使う方が簡単だとか、老婦人1人を連れ去るためにここまで工作する必要ないなど。(言っちゃうと身も蓋もないですね)

ヒッチコック登場シーン

最後の方のヴィクトリア駅のシーンでたばこをくわえながら通り過ぎる

わかりやすさ★★

忘れてたころにおヒッチ登場。
このお約束の監督登場シーンはのちに観客が集中できるようなるべく最初の方に出すとルール付けられるので本作はルール付けされる前の作品なのでしょう

バルカン超特急(The Lady Vanishes)の感想・個人的恐怖の対象

クリケットをバカにされて怒るクリケットおじさんたち推せる
銃撃戦でのクールな活躍ぶりのギャップが素敵
あんなに楽しみにしてたクリケットの試合が…
オチは彼らには残念でしたね

  • 植木鉢直撃って結構…
  • 砂糖で遊ぶな!笑
  • 汽車からゴミ捨てるのよくない
  • 偽ミス・フロイのクオリティぃぃーもっと寄せようぜ
  • ギャグ枠のクリケットおじのけっこうな活躍ぶり。製作に愛されている
  • 浮かれて結婚行進曲しか思い出せないギルバードに爆笑

主人公のアイリスと同じように不安な気持ちでドキドキしました。(さすがサスペンスの巨匠おヒッチ
みんながいうようにあの親切な婦人が実在しないのでは?と、アイリスのようにだんだん実在を信じきれなりたまらなく不安になりました。
思い切り製作者の狙い通りの観客だったわけですが、あの温かな笑顔が架空だったなんて信じたくない…とても胸がつまる思いでした。
なので彼女が実在して、また元気で動いている姿を見たときは本当に嬉しかったです。
ミス・フロイの笑顔はほっとしますね。
お茶の時間だから食堂車に英国人が残っているはずというギルバードの言葉になんか笑いました。
なにその信頼感(笑)。英国人のお茶のこだわりがちょこちょこ登場し面白いですね。

人それぞれ怖いものがありますが私の場合、誰も自分の言うことを信じてくれないという状況にとても恐怖を感じます。
というのも最近そういう夢を見たことがあって、自分の主張が通らないことのもどかしさがリアルでものすごく怖い夢だったのだがあれはたぶん自分の不安や潜在的恐怖が現れたのではないかなと思います。(現在も未解決で心痛めている私の某twitter永久凍結事件に関係あるだろうか…)
それは置いといて、
他映画作品でクリント・イーストウッド監督の「チェンジリング」の主人公も必死に訴えるも聞いてもらえず理不尽な目にあってしまうという内容で、怖いのですがすごく良いサスペンスでした。途中あまりの理不尽さに憤ってしまいますが、おすすめです。
誰も信じてくれない状況ではなんとも孤独で味方になってくれる存在はとても心強いものです。
今作ではギルバート。なっかなか信じてくれませんでしたが最後には一緒に冒険し心通わせたおかげで恋人同士になりましたね。しかしギルバードって執筆のための旅の途中だし書き上がるのは4年後だしだいぶ甲斐性なさそうな。
亡くなった弁護士さんはもちろんかわいそうですが、結婚間近に相手に逃げられた婚約者さんも気の毒ですね。たぶんアイリスはいいとこのお嬢さんで家同士で決められた結婚といったところだと思いますが、彼にもいい巡り合わせが来ることを願いたいものです。

〜疑問に思ったことなどメモ〜

  • 薬を盛られていないアイリスが気を失ったのはたまたまあの場面でも頭を打ったことによる気絶が発生したということでいいのかな?それかノリや思い込み?

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次