三十九夜 ヒッチコック映画 あらすじ/ネタバレ/解説/感想

トリュフォー監督いわく「イギリス時代の総括的作品

ヒッチコック監督のイギリス時代作品のなかで1、2を争うくらい好きな作品です。(いや全体の中でもトップかも)

目次

三十九夜(The 39Steps)の概要

1935年のイギリス時代のアルフレッド・ヒッチコック監督作品。
上映時間86分。主演ロバート・ドーナット/マデリーン・キャロル
原作はジョン・バカンの小説『三十九階段』

ジョン・バカンはヒッチの敬愛する作家のひとり。
大きな影響を受けている。

キャスト

リチャート・ハネイ:ロバート・ドーナット:主人公。カナダ人

パメラ:マデリーン・キャロル:汽車で出会った女性

アナベラ・スミス:ルーシー・マンハイム:ハネイが家に連れ帰った女性

ジョーダン教授:ゴッドフリー・タール

農夫の妻マーガレット:ベギー・アシュクロフト

農夫:ジョン・ローリー

ミスター・メモリー:ワイリー・ワトソン:抜群の記憶力をショーで披露する芸人

主演ふたりが美男美女ペア。
ふたり揃った画面は眼福。

あらすじ

ミステリアスな美女を拾った男性がイギリスの機密情報をめぐる事件に巻き込まれる。
彼は殺人容疑で指名手配され、さらにスパイ組織から命を狙われながらも手がかりのあるスコットランドを目指す。
敵スパイの陰謀を暴かないと無実を証明することができない。そして”39階段”とは何か?

ざっと掴もう。1935年とは?

・2022年から87年前。和暦は昭和10年。
・誕生:畑正憲、美輪明宏、小沢征爾、赤塚不二夫、高畑勲、エルヴィス・プレスリー、アラン・ドロン

ネタバレ詳細ストーリー

  • 劇場で発砲騒ぎ・女性を連れ帰る
  • 女性を家に泊めるがその女性が刺殺される
  • 手がかりをもとめて汽車でスコットランド・「アル・ナ・シェラ」に向かう。
  • 農家に泊めてもらう
  • 目的の場所にいた教授とは敵のボスだった
  • 撃たれるがポケットの聖書のおかげで助かる
  • 集会所でスピーチ・汽車で出会った女性と再会・教授の部下に捕まり連行される
  • パメラと共に逃げ宿に泊まる
  • ロンドンパラディアム劇場にて終結

ミュージックホールにて凄まじい記憶力の持ち主・ミスター・メモリーのショーを楽しむリチャード・ハネイ
ミスター・メモリーに観客はさまざまな質問をしている。ハネイはカナダのウィニペグ~モントリオール間の距離を質問する(答えは2292km)
そこで乱闘が起き誰かが拳銃を発砲する。劇場は逃げる人々でごった返す。
壇上のミスター・メモリーは楽団に演奏させ場をとりつくろうとする。
ハネイは混乱のなか、居合わせた女性をエスコートして劇場の外に出るがその女性から「家に連れて帰ってほしい」と頼まれる。
ハネイが「どうして?」と尋ねても、女性は「どうしても」と返すだけだった。
バスに乗って女性と共に家に帰るハネイ。彼は仮住まいでこちらには数ヶ月滞在するだけのようである。
名を聞かれ女性は最初「スミス」とだけ名乗る
もっと知りたいなら職業を当ててみてと言う彼女に「女優?」と聞くハネイ
「正確には違うわ」
「踊り子」
「いいえ フリーで仕事をやっているわ」
部屋に入るがミス・スミスは外に警戒している様子だ。電話が何度か鳴るが彼女に出ないよう頼まれる。
「スミスは偽名?」とハネイが尋ねると「場所によるわ。アナベラと呼んで」と彼女は答えた。
空腹だというアナベラにハネイはタラを調理する。
アナベラは劇場の銃声は自分が撃ったものだと言う。2人の男から命を狙われていて劇場から逃げようと気をそらすために撃ったのだ。
「まるでスパイだ」とハネイ。「そのとおりよ」とアナベラは答える。
アナベラは祖国がなく、お金しだいで諜報員を請け負っている。現在は英国の防空に関する重要な機密を守っていて、その機密を狙う某国の諜報員の手下が彼女を追っている男たちというわけである。
最初は話半分に聞いていたハネイだったが窓の外で2人の男が見張っているのを見て彼女の話を信じた。
39階段を知っている?」とアナベラは聞くがハネイにはなんのことかわからない。
ハネイが用意した食事をしながら話す2人。
阻止しないと数日以内に機密が持ち出されるとのことなのでハネイは「警察に連絡を」と提案するが信じてもらえないし敵の方が素早いとアナベラは言う。
敵のボスは冷酷で頭が良く、多くの名を持っており、小指の先がない男らしい。
アナベラはある男に会うためスコットランドの地図が必要だと言う。
ハネイは「”39階段”がスコットランドに?」と尋ねるがアナベラは明日話すとだけ答える

未明ごろソファで寝るハネイの元にアナベラは「逃げて」と告げる。
「次はあなたよ」と倒れたアナベラの背中にはナイフが刺さっていた。
その時電話が鳴る。下の通りにいる男たちを見ると1人が電話ボックスから電話をかけていた。
アナベラが握っていた地図を見ると「アル・ナ・シェラ(Alt-na-Shellach)」という場所にマークがされていた。
ハネイは昨晩の彼女の「ある男に会わなければいけない」という言葉を思い出していた。
男たちが見張っているアパートからどう脱出するか考えていたところ、牛乳の配達だろうか、作業着を着た男性がアパートにやってきた。ハネイは男性と交渉し作業着を譲ってもらいアパートを抜け出し汽車に乗る。(正直にスパイのことを言っても信じてもらえず人妻に会った帰りで変装して出たいと言ったら快く譲ってもらえた)AM5時ごろ

男たちはハネイを追うが汽車はもう動き出している。
同じ頃、ハネイの部屋のアナベラの遺体がアパートの清掃員の女性に発見される。

ハネイの向かいの席の男性は女性の下着メーカーに勤めているようで隣の男性に商品を見せながら売り込みをしている様子。
エディンバラのあたりで新聞を買った男性たちの会話でハネイは自分が殺人事件の容疑者となっていることを知る。
停車した駅で警察を見かけ出頭しようかと迷うがけっきょく列車に飛び乗り旅を続けることにした。
車内で警察が個室を順番に調べていたのでハネイは1人で個室にいた女性にキスをしやり過ごそうとする。
それを見た警察は空気を読むかのように通り過ぎた。
ハネイは女性に謝罪し名乗り、無実の罪で追われているので協力を求めようとするが
警察が戻ってきて不審な男について尋ねてきたので、女性は「この男だわ」と突き出す。
さらにハネイと名乗ったことも告げられたため窮地におちいるがハネイは隙をついて逃走する。
列車がフォース橋の上で非常停止した時にハネイは橋の柱に隠れ、追っ手を撒いた。
新聞の号外記事でハネイの逃走が報道される。

スコットランドの荒野を歩くハネイ。
農家の男性を見つけこの辺りに車がないか探る。
農夫から「アル・ナ・シェラ」にはイングランドの教授の家があるということを聞く。
ハネイは向かおうとするが20kmも先でもう遅いから無理だと農夫に言われる。
農夫に謝礼をし一晩泊まらせてもらうことに。
農夫の家には年の離れた若い妻がいた。
彼女の出身はグラスゴーでロンドンには行ったことがないそうである。
彼女は夫や今の暮らしに不満があるようだ。
親しげに会話をするハネイと妻を見て農夫は面白くない様子。
食事の前に農夫が祈りを捧げているなか、妻は新聞の見出しを見てハネイが指名手配犯ということに気づく。
眉をひそめてこちらを見る妻をハネイは違うんだというような視線で返す。
2人の雰囲気に不審なものを感じた農夫は納屋の戸締りを装い窓から様子を眺める。
夜中に妻は車の音に気づき、ハネイを起こし逃がそうとする。
そこを妻の不貞を疑っていた夫が浮気現場と思い「やはりな」とやって来る。
誤解されたままでは彼女がひどい目に遭いそうなのでハネイは自分は殺人容疑で警察に追われていることを農夫に話す。
助けてくれれば謝礼を払うとハネイは交渉するが農夫は尋ねてきた警察にも謝礼の交渉をしている。
早く逃げるよう妻は促す。目立たないよう夫の一張羅のコートを着せてハネイを逃す。
別れ際、ハネイは彼女の名前を聞いて「マーガレット、忘れないよ」とキスをして走り去る。
マーガレットは切なげに扉を閉めた。

警察に追われながらハネイはなんとかアル・ナ・シェラにあるイングランドの教授の屋敷にたどり着く。
女中に「アナベラ・スミスの知人だ」と言い取り次いでもらう。
教授の娘の誕生パーティでにぎわっていた。ハネイは教授の妻や娘を紹介される。
客の中に”シェリフ”・ワトソンという男性がいた。(シェリフとは地方の行政執行官のこと)
警察も屋敷を訪ねるが屋敷の主人は追い返した。
ハネイはハモンドという偽名を名乗ったが屋敷の主人はハネイの名と殺人事件のことを知っていた。
ハネイは教授から敵のボスについてアナベラから何か聞いているかと尋ねられ、確か小指の先のない男だと答える。
「どちらの指か?」
「左だったか」
こっちじゃないか?」と男性は自分の右手を見せる。小指の先のない男とは彼のことだった。
とんだ勘違いでハネイは敵ボスの懐に飛び込んでしまったのだ
その男・ジョーダン教授は落ち着き払った様子で、ハネイの訪問に困惑していること、逃すわけにはいかないことを伝える。
そして機密情報はもう手に入れ国外に持ち出すところだと語る。
「君に残された道はひとつだ」
拳銃を懐から取り出し、「殺人犯の自殺」というシナリオで締めくくるつもりのようだ。
ハネイは撃たれてしまう。

その頃、信心深い農夫は内ポケットに聖書が入れたままの自分のコートを探していた。
コートの行方を妻に聞き、妻に手を上げる。

弾丸の食い込んだ聖書が映る。
マーガレットに着せてもらった農夫のコートの中の聖書のおかげでハネイは九死に一生を得たのだ。
なんとか車を奪い、教授の家にいた”シェリフ”の元へと訪ねてきたのだ。
(場所はおそらく教授の家からそう離れていないスコットランドの都市)
シェリフはハネイの話を信じてたように話を合わせていたが、呼びつけた警察が来てから一変した。
シェリフには最初からハネイの味方をするつもりなどなかったのだ。
弾丸はどう説明する?とハネイは訴えるが警察が撃ったもので通るということで聞き入れてもらえない。
ハネイ片手に手錠をつけられたまま窓を破って逃走する。
楽隊パレードに出くわし列に加わりながら、まぎれる。
その後、追っ手から逃れるため目についた「集会所」に入る
集会所の中で人違いをされ壇上に上がらせられたハネイはある政治家の応援演説をすることになってしまう。
ハネイはアドリブでユーモアを交えたスピーチをし会場を沸かせる
本来スピーチする予定の人物(フレイザー大尉)を迎えにいっていたのが列車で出会った女性(パメラ)でした。
パメラは壇上のハネイを見て警察を連れてくる。
ハネイのスピーチは大変盛り上がりスピーチを終え帰ろうとするハネイに人々は握手を求めた。
人混みで逃げれず、ハネイは仕方なく捕まってしまう。
(ハネイのスピーチが盛り上がりすぎたので「なんとかつないだ」とバトンタッチされたフレイザー大尉(たぶん)は「あとが大変だな」と笑顔で返す。ホッコリ)
再会したパメラに英国の機密が国外に持ち出されていようとしていることをカナダの高等弁務官に伝えてほしいと必死に訴えるが彼女は相手にしない。
警察は必要な手続きがあるため彼女にも同行を求めた。*実は彼らは警察ではなく教授の部下でハネイとパメラのやりとりを見てパメラも危険視し、口実をつけて連行した。
ハネイは会場の人々の温かい拍手に送られ笑顔で手を振り集会所をあとにした。

集会場を出たハネイたちは車で連行される。パメラは警察署を通り過ぎたので疑問を持つが65km離れた2時間弱ほどかかるインベラリーで”シェリフ”の尋問を受ける必要があると説明された。(*Inverarayインバラレイだろうか?後述の地図参照)
インベラリーへの道とは違う道を行き不審に思うパメラ。ハネイは彼らが教授の部下で行き先は教授の元だと確信する。
車が羊の群れで進めなくなってしまう。
羊を追い払おうと男たちは車を出るが、その前にハネイが逃げられないよう手錠でパメラと繋ぐ。
その隙にハネイはパメラを連れ逃走する。手錠で繋がれているためパメラは仕方なくついていくしかなかった。
「私と一緒じゃ逃げられないわよ」
「それは未来のダンナに言うセリフだ」

パメラはなかなかハネイの話を信じないが無理やり彼女を従わせ夫婦のふりをして宿に泊まることになった。
手錠をした手はポケットに入れているのではたから見るとずっと手をつないでいる仲の良い夫婦のようだった。
宿のおかみさんはそんな2人の様子にほほえましく思っているようだ。
パメラは宿の者に何度か助けを求めようとするがハネイはポケットに銃があるようなふりをして止める。
2人はダブルベッドの部屋に案内される。
ハネイはおかみさんには実は夫婦ではなく駆け落ちして逃げてきていると嘘をついた。
そのことでおかみさんはますます協力的になった様子だ。
サンドウィッチを食べながらハネイは濡れたスカートやストッキングを脱いだほうがいいとパメラに提案する。
パメラがストッキングを脱いでるとき、ハネイはパメラの膝に手を置くがすぐにパメラにサンドウィッチを持たされる。
いっしょに寝ざるをえないので2人はダブルベッドで横になる。
ハネイはたびたび頭に浮かぶメロディがあるのだがどこで聞いたか思い出せないでいた。(よく口笛を吹いている)
手錠をやすりで削りながらハネイは冗談のような話を続ける。
話を聞きながらパメラはくすっと笑う。やがて2人は眠ってしまう。

その頃、教授宅で
心配そうに教授を送り出す妻と娘。

ふたたび宿で
目が覚めたパメラはなんとか手から手錠を抜くことに成功する。
ハネイが寝返りをうって彼女に手を回すがそっと抜け出す。ハネイのポケットを探るが銃は持っていなかった。
パメラは逃げようとすると宿の受付で自分たちを連行していた警察を見つける。
パメラはまだ彼らを警察と思っていたのだが彼らの会話を聞き、ハネイの話が真実だと気づく
彼らの話によると教授はロンドン・パラディアム劇場にいる誰かと国外に出るそうだ。
彼らは宿の主人に若い男女が泊まってないかと尋ねるが主人が答える前におかみさんが割って入る。
深夜の営業は違法らしく、酒を提供していた主人を咎め彼らをすぐに追い出した。
おかみさんはハネイの嘘の駆け落ち話を信じているのでその追っ手と思い、追い払ってくれたのだ。
その様子を見ていたパメラは部屋に戻り、今までとは違い寝ているハネイに温かい表情を向け毛布をかけてやる。
眠くなったのでソファで眠ろうとするが寒いので毛布を取り返して眠った。
朝になり目が覚めたハネイは手錠の先にパメラがいないことに驚く。手が抜けたと説明をするパメラ。
なぜ逃げなかったのかと尋ねられ、パメラは昨夜の男たちの話を聞かせた。
話を聞いてハネイはなぜすぐ起こさなかったと怒り喧嘩になる。

ロンドン警視庁にて
パメラは今夜機密が国外に持ち出されることを訴えるが、航空省には確かに最新鋭の技術があるが紛失した書類はないという話だ。
ハネイはどこに?と聞かれるがパメラは知らないと答えた。警察は彼女を尾行することにした。
パメラが向かった先はパラディアム劇場だ。
観客席のハネイは2階席に小指の先のない手を見つけた。
パメラが合流して警視庁では紛失した書類はないということをハネイに報告した。警察は劇場内を包囲していた。
ホール内で流れる曲を聴き、ハネイはたびたび頭によぎる曲がアナベラと出会ったホールでも流れていた曲だと思い出した。

ステージにはミスター・メモリーが登場し、教授が連れていこうとしているのは彼だということに気づく。
持ち出した機密書類をミスター・メモリーに見せ、覚えさせたのちに書類を戻し彼を国外に連れ出すことで機密情報を持ち帰ろうとしているのだ。
警察にそのことを伝えようとする2人だがすぐには聞いてもらえそうにない。連行されては間に合わない。
一刻を争うのでハネイはステージ上のミスター・メモリーに「“39階段”とは何か?」と聞く。
ミスター・メモリーはプロの芸人として聞かれたことに答えざるをえない。
“39階段”とはスパイ組織のこと。ある国の外務省に情報を・・・」と言い終わらないうちに観客席の教授に撃たれてしまう。
教授は逃走しようとするがすぐに大勢の警官に取り囲まれる。
ステージは幕を引き、踊り子のダンスショーに切り替わる。
ステージ脇で撃たれたミスター・メモリーにハネイは機密はなんだったのかと尋ねる。
ミスター・メモリーは航空機の新型エンジンの製造に関わる数式をずらずら述べたのち「これで忘れられる。やっと…」と息を引き取ったようだ。
ハネイとパメラはそっと手をつなぐ。(ハネイの手にはまだ手錠がかかったままだ)

資料

「アル・ナ・シェラ」はおそらく架空の地名ですが映画の中の地図を見るとKillinという都市の近くにあることがわかります。
リンク先の地図にKillinと列車が止まったフォース橋と作中に地名だけ出たインベラリーと思われるInvararyにピンを立てています。

ハネイの女たらしならではの行動

ハネイ氏の固有スキル。イケメンで女性にモテる人間にしかできないと思われる行動を挙げていきます。

  • スピーディに女性をお持ち帰り(普通はなんで??ってなりそうだがハネイ氏は逆ナン経験が豊富なのだろう
  • 行きずりの女性にキスしてピンチを乗り切ろうとする(いやその発想。乗り切れなかったが
  • 農家の若妻を誘惑して味方につける(必死ゆえの行動で悪気はないのかもしれないが籠絡しちゃってる

農夫の妻マーガレットは指名手配犯とわかっていて逃亡を手助けしてくれる。しかも夫の一張羅まで渡すあたりかなり好感度高い。
そのおかげで命拾いしたわけなのでまさに芸は身を助けるといったところか。(夫が信心深かったおかげでもありますが)

小ネタ・裏話

  • あまり知られていないがリメイク作(1959年)があるのだが『映画術』のなかでトリュフォー監督に辛辣にこきおろされている。
    トリュフォーは感心しない点として窓から見張っているスパイたちを確認する場面でオリジナルはハネイ側の視点でロングで捉えているのに対し、リメイク作ではスパイたちを2、3カットクローズアップしているカットがありこれではスパイたちの正体がわかりドキドキハラハラ感がなくなることを指摘している。
  • ヒッチコックは主演のロバート・ドーナットを『サボタージュ』(1936年)の若い刑事役にも起用したかったが諸事情で実現しなかった。
  • マデリーン・キャロルは『間諜最後の日』(1936年)にも出演している。

ヒッチコック登場シーン

アナベラとハネイがバスに乗り込む前に横切る通行人

わかりやすさ★★

三十九夜(The 39Steps)の感想・疑問点

まずアナベラさん、情報はもっとちゃんと伝えてーと思った。
詳細言わずにマークされた地図渡されてもまさか「危険」と警告した相手の家とか思わないじゃないですかー><
(まあストーリーのため仕方ないのですが
教授は「ほんとなんでこいつ来たん??(困惑)」って感じだったんだろうな(笑)

ミスター・メモリー、気の毒に…

ヒッチ映画の一つの系統、事件に巻き込まれる男性の逃走劇。
次々に災難に見舞われ、コミカルだったり、どきどきシチュエーションもあったり盛りだくさんあっという間の1時間20分。
主人公演じるロバート・ドーナットがすごい美男で一目でスターだとわかります。
「この顔なら仕方ないという」ハネイ氏のモテ属性ならではの行動をさせるのに非常に説得力がある容姿をしています。
主人公が端正なお顔でけっこうな無茶やってピンチを切り抜けていくさまが見ていて楽しいです。
特にスピーチのシーンが大好きです。アドリブで観客に大受けのスピーチができるなんて賢すぎる。
一般人のはずなのに機転を利かせ数々のピンチを切り抜けていく。ユーモアもあり度胸もある、只者じゃない。
途中に寄った農家での一幕が印象的。奥さんはパワハラ旦那と別れて強く生きていってほしい。

〜メモ〜疑問・不思議に思った点・考察

  • なぜ邦題は『三十九夜』なのだろう?三十九階段より詩的でいいと思うが
  • どういう由来で三十九階段という組織名にしたのだろう
  • 宿のハネイの話はほぼホラ話だと思うがいくつか本当のこともあるのだろうか?子供のころ同級生のお金盗んだことは本当かもしれない
  • Alt na Shellachは非実在?由来は?
  • ミスター・メモリーはなぜ教授に協力した?
    →例えば多額の報酬だろうか?だとするとお金のため祖国を売っても結局ステージ上で芸人としての矜持は捨てられなかったということか

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